とびしま海道は広島県呉市川尻から愛媛県今治市関前岡村までの片道約45㎞(最短30㎞)、7つの橋を越えていくルートだ。ちょっと前までオレンジラインと呼ばれていたところ。さすがに原付でも1時間ちょっとで行ってしまう短いルートだが、見どころは御手洗重要伝統的建造物群保存地区。今回は、ここへ行くのを目的にツーリングしてみた。
1.御手洗まで道
今日のスタートは広島県呉市の呉港。そこから国道185号を通って川尻へ向かう。この区間は交通量は多い。呉から広へ抜ける休山トンネルを使えば速いが、車の流れは70㎞/h以上出ている。リトルカブは左端べったりで普通車をやり過ごす。トンネル抜けても交通量は多い。そこを抜けても川尻に入る手前の峠が原付にはちょっと大変な峠だが、車の方も理解しているらしく無理な追い越しもしてこない。峠を下るとすぐに、とびしま海道への入り口だ。
最初の玄関口「安芸灘大橋」は原付でも有料だ。50円…自動二輪は560円。
(価格差すごい!)
有料な橋はここだけ。残り6つの橋は無料だ。
御手洗までは、楽しめるところ、見学できるところ数あるが今日は御手洗一直線だ。
だから、途中の区間は公式HPをご覧ください。安芸灘とびしま海道
島に入ってからの道は道標は分かりやすい。迷うことはない。交通量も多くなく、リトルカブでも快調に走れる。エンジンの音は気持ちいい。橋を通るとびに坂を上るが、それとてエンジンが唸ることもない。
2.リトルカブは本当に相棒だ
リトルカブは49㏄の小さなエンジン、いわゆる原付だ。普通は買い物などの街乗りに使われるバイクだ。ホンダはこのバイクを高齢者や女子、取り回しが便利ということで開発した。姿形はそっくりだがスーパーカブとはほとんど別物と言ってもいいくらいのバイクだ。
そのリトルカブはとびしま海道とはなんだか相性がいい。がんばるところがなくて、のんびりいける。距離もちょうどいいかな。自宅からだと片道約90㎞でそれほど遠くもない。(まぁ、途中、呉市を通過するのが面倒だが)
3.御手洗地区重要伝統的建物保存群
ちょっと長い名前なので、御手洗町並み保存地区とここでは呼ぼう。とびしま海道をずっと走っていくとやがて岬の先に着く。そこの集落が御手洗地区だ。昔は潮待ちの港町としてにぎわっていたらしい。岬の先には写真の灯篭が見えてきた。
さっそく集落を歩いてみよう。建物は最近のものもあるが、江戸後期の建物も多く残る。伝統的建造群としては小規模かもしれないが、面影を多く残す点で街並みは面白いだろう。
昔の建物のほとんどは2階建てで、屋根が低いのが特徴的だ。このような建物のほとんどは宿屋で、中で刀を振れないように低くしてあると聞いたことがあるが、そのとおりの作り方だ。
こちらの建物jは明治期の建造。入口が二つあるので、(立派な銭湯?)と思ったが、実は劇場だ。中では観劇などが行われていたとのことだ。
実はこの劇場、現役とのこと。不定期だが、実際に劇場として活躍しているとのことだ。
すごく興味があったのが、この「御手洗昭和館」。ここを訪れたのが月曜日なのだが、お休みらしい。というか、ほとんどのお店は土日祝日の営業で平日は不定期営業とのことだ。
瀬戸内の島の観光地ではよくあることだ。しかし、どんなものを展示しているのかなぁ。人間、年を取ると昔の事をやたら懐かしがるらしい。年を取ると子供に戻ると言われるが、精神的に基に戻るのか?
若い人には昭和はどう映るのか?逆に新鮮なんだろうか。
こちらの建物はCMに出たこともあるので、ご存知の方も多いだろう。水色の壁を持つ木造の建物は、御手洗地区でもひと際華やぐ。
実はこちらの建物、現役の理容店。もちろん主人はコチラに住んでいるし、営業もしている。で今日は月曜なので定休日だ。
こちらは史料館。御手洗地区の道路は、昔ながらの街並みなので当然狭く、竹原と違い路地がまっすぐではない。まるで城下町のような造りだ。これは埋立によるものらしく江戸期から昭和に至るまで度々埋立を行ったためジグザグになったらしい。
街並みの路面は砂利を固めたコンクリートパネルを敷き詰めているようで、カブを押してあるくのに困らない(滑らなくてちょうどいいかもしれない)
平日に来たおかげでカブと一緒に撮影できているが休日だと人も多く、こんなこともできないだろう。(竹原の保存地区で撮影したときは朝6時に撮影)
御手洗町並み保存地区は他の保存地区と違い、実際に住居として今も住んでいる家が多いのが特徴と聞く。なので、ほとんどの家は民家、つまり見学不可と考えていい。
その街並みを観光地としているのだから、最初は住民の方々には戸惑いもあったのではないだろうか。訪問者の私としてはその理解に感謝の一言だ。
御手洗地区を展望所から見る。
芸予諸島の島々がきれいだ。
多島美はそうお目に掛れるものではないらしい。
そろそろ今日のゴールに向かおう
正確にはとびしま海道のゴールは、愛媛県今治市関前の岡村港とのことだが、今日はここをゴールとした。橋の上での県境越え。
リトルカブでのとびしま海道ツーリングは、のんびりと走れて気持ちいい。多島美や瀬戸内海の潮の流れを見ながら、走ることもできる。ちょうど途中、美術館など見るところもあるがゴールに町並み保存地区があるのもいい。カブツーリングにはもってこいのルートだ。
※ちなみにだが…岡村港からフェリーに乗れば今治まで行くことができる。旅は続けることができる。大人870円、原付380円で四国上陸だ。